御朱印巡りがもっと奥深くなる!神社と寺院の御朱印と参拝の違い【初心者向け】
御朱印巡りを始められたばかりの皆様、こんにちは。「御朱印旅ガイド」です。
御朱印巡りでは、神社とお寺、両方を訪れる機会が多いことでしょう。それぞれの場所でいただける御朱印ですが、「神社と寺院で何か違いはあるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、神社と寺院では、祀られている対象や成り立ちが異なり、それに伴って御朱印の内容や参拝方法にも違いが見られます。これらの違いを知ることで、それぞれの場所への理解が深まり、御朱印巡りがより一層奥深く、心豊かなものになるはずです。
この記事では、御朱印巡り初心者の皆様に向けて、神社と寺院における御朱印や参拝に関する基本的な違いを分かりやすく解説いたします。
御朱印とは何か(改めておさらい)
まず、改めて御朱印について簡単におさらいしておきましょう。御朱印は、寺社でいただける参拝の証です。もともとは写経を寺院に納めた際にいただける受付印だったものが、江戸時代ごろから、納経しなくても参拝の証としていただけるようになったと言われています。
御朱印は、墨書きと朱色の印で構成されているのが一般的です。墨書きには、寺社名や御本尊の名前、参拝日などが書かれます。朱色の印は、寺社によってデザインが異なり、その寺社の象徴や由来を表していることが多いです。
神社と寺院の根本的な違い
神社と寺院の違いを知ることは、御朱印や参拝の違いを理解する上で重要です。
- 神社: 日本古来の神道に基づき、自然の神々や皇室の祖先、歴史上の偉人などを「神様」としてお祀りする場所です。神様の「御神体(ごしんたい)」が祀られています。祈願や感謝を捧げる場所です。
- 寺院: 仏教に基づき、仏様(如来、菩薩、明王など)をお祀りする場所です。仏様の「御本尊(ごほんぞん)」が安置されています。修行や供養を行う場所としての側面もあります。
このように、お祀りの対象や宗教が異なるため、建物や儀式、そして御朱印にもそれぞれの特徴が現れます。
御朱印に見られる神社と寺院の違い
御朱印そのものにも、いくつかの違いが見られます。
1. 墨書きの内容
- 神社: 中央には、神社名や「奉拝(ほうはい)」(つつしんでおがむこと)といった文字が書かれることが多いです。伊勢神宮のように「大神宮」とだけ書かれる場合もあります。
- 寺院: 中央には、お祀りしている「御本尊」の名前(例: 薬師如来、観音菩薩など)や、本堂の名前などが書かれることが多いです。
2. 印の種類とデザイン
- 神社: 神社の紋(神紋)や、その神社の象徴(例: 鶴岡八幡宮の八幡宮の「八」が鳩になっているなど)を模した印が使われることが多いです。印の種類は比較的シンプルですが、デザイン性の高いものも見られます。
- 寺院: 寺院名や、お祀りしている仏様を示す梵字(ぼんじ:古代インドの文字で、仏様を表すのに使われます)の印が押されることが多いです。また、寺院によっては複数の種類の印を組み合わせて押印する場合もあります。
3. 御朱印帳の使い分けについて
神社と寺院で御朱印帳を分けるべきか、という疑問を持たれる方もいらっしゃいます。結論から申し上げますと、明確なルールとして分けなければならないということはありません。一つの御朱印帳に神社と寺院の御朱印を混ぜていただいても問題ありません。
しかし、中には「神様と仏様を同じ帳面に混ぜるのは良くない」という考え方を持つ方もいらっしゃいます。また、神社用と寺院用で分けていると、後で見返した際に整理しやすいという practical(実用的な)な利点もあります。
もし気になるようでしたら、最初から分けてみるか、まずは一冊にまとめてみて、後から必要性を感じたら分けるという方法でも良いでしょう。大切なのは、ご自身が気持ちよく御朱印巡りを楽しめることです。
参拝方法に見られる神社と寺院の違い
御朱印をいただく前には、心を込めて参拝することが大切です。神社と寺院では、基本的な参拝の流れにも違いがあります。
1. 入り口(鳥居と山門)
- 神社: 境内の入り口には「鳥居(とりい)」があります。鳥居は俗界と神域を区切る結界とされています。鳥居をくぐる前に立ち止まり、軽く一礼するのが基本的な作法です。
- 寺院: 寺院の入り口には「山門(さんもん)」または仁王門などがあります。山門は仏道に入る門とされています。山門の前でも立ち止まり、合掌一礼をするのが丁寧な作法とされています。
2. 手水舎(ちょうずや/てみずしゃ)
神社にも寺院にも、参拝前に手と口を清める「手水舎」があります。基本的な清め方に大きな違いはありませんが、柄杓(ひしゃく)の使い方に注意が必要です。
- 右手で柄杓を取り、水を汲んで左手にかけ清めます。
- 柄杓を左手に持ち替え、右手にかけ清めます。
- 再び柄杓を右手に持ち替え、左手で水を受けて口をすすぎます。
- 口をすすいだら、もう一度左手を清めます。
- 最後に、柄杓を立てて残った水を柄の部分に流し、元の位置に戻します。
この一連の流れを、柄杓に汲んだ一杯の水で行うのが理想的です。
3. 参拝作法(拝殿/本堂にて)
ここが神社と寺院で最も明確な違いがある点です。
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神社: 拝殿の前では、「二礼二拍手一礼(にれい にはくしゅ いちれい)」が基本的な作法です。
- まず、姿勢を正して軽く一礼します。
- お賽銭を静かに入れます。(お賽銭箱の前に鈴があれば鳴らします)
- 二回、深くお辞儀(礼)をします。
- 胸の前で手を合わせ、右手を少し手前にずらして二回拍手(かしわで)をします。
- 合わせたまま手を下ろし、神様に感謝や願い事を心の中で伝えます。
- 最後に、もう一度深く一礼します。
- 鳥居を出る際にも、社殿の方を向いて一礼するとより丁寧です。
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寺院: 本堂の前では、「合掌礼拝(がっしょうれいはい)」が基本的な作法です。
- まず、姿勢を正して軽く一礼します。
- お賽銭(お布施)を静かに入れます。(鰐口があれば鳴らします)
- 胸の前で静かに手を合わせ(合掌)、仏様に感謝や願い事を心の中で伝えます。
- 最後に、深く一礼します。
- 山門を出る際にも、本堂の方を向いて一礼するとより丁寧です。
このように、神社では柏手を打って神様を呼び、寺院では静かに合掌して仏様と向き合う、という違いがあります。
御朱印をいただく際の注意点(共通事項と違い)
御朱印をいただく際の基本的な流れやマナーは、神社と寺院で大きな違いはありません。
- 御朱印所で対応されている方への感謝の気持ちを伝え、丁寧に御朱印帳を渡します。
- 書き置きの御朱印をいただく場合も、同様に丁寧に対応します。
- 御朱印を待っている間は、静かに待つ、境内や御朱印所を勝手に撮影しない、などの基本的なマナーを守りましょう。(写真撮影については、寺社によって可否が異なりますので、事前に確認するか、無断で行わないようにしましょう。)
ただし、寺院によっては、特定の法要中などで御朱印の受付を行っていない場合や、書き手の方が不在の場合があります。また、神社でも祭典中などは対応が難しい場合があります。慌てずに、落ち着いて対応される方の指示に従うことが大切です。
違いを知って、もっと豊かな御朱印巡りを
この記事では、神社と寺院における御朱印や参拝の基本的な違いをご紹介しました。これらの違いは、それぞれの場所が持つ歴史や信仰に基づいたものです。
違いを知ることで、「なぜここでは二拍手するのだろう」「なぜ御本尊の名前が書かれているのだろう」といった疑問が解消され、一つ一つの寺社への理解が深まります。それはきっと、単に御朱印を集める以上の、心のこもった豊かな参拝につながるはずです。
これからも「御朱印旅ガイド」では、皆様の御朱印巡りがより楽しく、より深いものになるような情報をお届けしてまいります。次の御朱印巡りでは、ぜひ神社と寺院の違いを感じながら巡ってみてください。
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