御朱印の書き置きとは？直書きとの違い、受け取り方と貼り方【初心者向け】
御朱印巡りを続けていると、「書き置き（かきおき）」と呼ばれる御朱印に出会うことがあります。これは、その場で墨書きしていただく「直書き（じかがき）」とは異なり、あらかじめ和紙などに書かれたものをいただく形式です。
御朱印巡りを始めたばかりの方の中には、「書き置きって何？」「直書きとどう違うの？」「どうすればいいの？」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、書き置き御朱印について、その基本的な知識から、受け取り方、そして御朱印帳への貼り方までを分かりやすくご説明します。
書き置き御朱印とは
書き置き御朱印とは、寺院や神社が事前に奉書紙（和紙）などに墨書きし、朱印を押したものを、参拝者に渡す形式の御朱印です。受付で初穂料（または納経料）を納めることでいただくことができます。
書き置き御朱印がある理由
書き置き御朱印が用意されている背景には、いくつかの理由があります。
- 混雑時や人手不足への対応: 参拝者が多い時期や、書き手の方が不在・多忙な場合に、待ち時間を短縮しスムーズに御朱印を提供するため。
- 特殊な紙やサイズ: 特別な和紙を使用している場合や、御朱印帳のサイズに合わないデザインの場合など。
- 限定御朱印: 季節限定や特定の行事に合わせて発行される限定の御朱印は、書き置き形式で提供されることが多いです。
- 書き置きのみ対応: 小さな寺社や、書き手の方が常駐していない場合など、書き置きのみに対応している場合もあります。
直書き御朱印との違い
直書き御朱印は、御朱印帳を寺社に預け、その場で直接墨書きと朱印を施していただく形式です。一方、書き置き御朱印は、すでに完成された状態でいただくものです。
最も大きな違いは、「御朱印帳に直接書いていただくか、別の紙でいただくか」という点です。どちらが良い、悪いということはなく、それぞれに良さがあります。直書きには、目の前で書いていただける特別感や、寺社とのご縁をより深く感じられる魅力があります。書き置きには、待ち時間が少ないこと、限定デザインに出会いやすいことなどの利便性や魅力があります。
御朱印は、直書き・書き置きに関わらず、参拝の証としてありがたくいただくものです。
書き置き御朱印の受け取り方
書き置き御朱印の受け取り方は、基本的に直書きと同じです。
- 参拝を終える: まずは本堂や拝殿でしっかりと参拝を行います。御朱印は参拝を終えた証としていただくものです。
- 御朱印の受付へ: 寺務所、社務所、授与所など、御朱印をいただける場所へ向かいます。
- 御朱印をお願いする: 窓口で「御朱印をお願いいたします」と丁寧にお声がけします。
- 書き置きであることを伝えられる、または書き置きを選ぶ: 寺社によっては、混雑時などに「本日は書き置きのみとなります」と案内がある場合があります。また、書き置きと直書きの両方に対応しており、書き置きを希望する場合はその旨を伝えます。限定の書き置きであれば、具体的な名称を伝えてお願いすることも必要です。
- 初穂料（または納経料）を納める: 案内に従って初穂料を納めます。金額は寺社によって異なりますので、事前に確認するか、案内に従ってください。お釣りが出ないように小銭を用意しておくとスムーズです。
- 書き置き御朱印をいただく: 初穂料を納めると、書き置きの御朱印をいただけます。
書き置き御朱印を御朱印帳に貼る方法
書き置き御朱印は、多くの場合、ご自宅に戻ってからご自身の御朱印帳に貼る必要があります。御朱印帳にきれいに貼るための方法をご紹介します。
必要なもの
- 書き置き御朱印
- 御朱印帳
- 貼るための道具（以下いずれか）
- 固形のり（スティックのり）
- 両面テープ（薄手のもの）
- テープのり
貼り方の手順
- 貼る場所を決める: 御朱印帳の次のページや、前の御朱印の次にくるページなど、貼る場所を決めます。
- 書き置きの裏面にのりを塗る: 固形のり、またはテープのりを使います。
- 固形のりの場合: 書き置きの裏面の四隅と中央部分に丁寧に塗ります。端までしっかり塗ることで剥がれにくくなります。塗りすぎると紙が波打つことがあるため注意が必要です。
- テープのりの場合: 書き置きの裏面の四辺と中央に数カ所、テープをつけます。
- 両面テープの場合: 書き置きの裏面の四隅に小さく切った両面テープを貼ります。または、薄手の両面テープを四辺に貼ります。
- 御朱印帳に貼る: 貼る場所を決めたら、書き置きの端から慎重に御朱印帳に貼り付けます。位置を調整しながら、空気が入らないように中心から外側に向かって軽く押さえます。
- しっかりと圧着する: 貼った後に、手やヘラなどで上から軽くこすり、紙全体が御朱印帳にしっかり密着するように圧着します。
きれいに貼るためのポイント
- 焦らない: ゆっくりと丁寧に行うことが大切です。
- 道具の選び方: 固形のりは手軽ですが、紙が波打つ可能性もあります。テープのりや両面テープは比較的きれいに貼ることができますが、剥がすのが難しい場合があります。ご自身に合ったものを選んでください。
- 御朱印ホルダーを利用する: 書き置きを貼るのが不安な方や、剥がさずにそのまま保管したい方には、書き置き専用の御朱印ホルダーも販売されています。これはクリアファイルのように書き置きを挟んで保管できるものです。
書き置き御朱印の保管方法（貼るまで）
すぐに御朱印帳に貼れない場合は、いただく際に折れたり汚れたりしないように注意して持ち帰り、保管する必要があります。
- クリアファイルに入れる: 持ち帰り用の袋に入れてくれる場合もありますが、念のため硬質のクリアファイルなどを準備しておくと、鞄の中で折れ曲がるのを防ぐことができます。
- 平らな場所に保管: 自宅に戻ったら、すぐに貼れない場合でも、折れ曲がらないように平らな場所に置いて保管しましょう。
まとめ
書き置き御朱印は、直書きとは異なる形式ですが、寺社が心を込めて準備した大切な御朱印です。混雑時や特別な御朱印など、様々な理由で書き置きが提供されています。
書き置きをいただく際は、直書きと同様に丁寧にお願いし、初穂料を納めます。そして、ご自宅に戻ってから、御朱印帳に丁寧に貼り付けることで、大切な参拝の記録として残すことができます。貼り方もご紹介した方法を参考に、きれいに仕上げてみてください。
書き置きの御朱印も、直書きの御朱印と同様に、一つ一つの出会いを大切に、御朱印巡りを楽しんでいただければ幸いです。